温泉の色

温泉の色について

温泉の色は湧出した時点から色がついているものがある一方で、湧出した時は無色透明であっても浴槽の中で色づいて見える場合や、時間の経過で色づいたり、色彩が変化していく場合があります。

色についても白色系や赤色系、緑色系、褐色系があり、色は濃いものから薄いものまで色々あります。また、透明度が高く澄んでいるものや、透明度が低く濁りがあって色づいて見えるものがあります。また、濁りのもとになる物質をろ過すると無色透明になり、濁りのもとになる物質が色づいていることもあります。

温泉の色は成分(水に解けない不溶性化学成分)が大きな要因と思われます。地中から湧出した温泉が空気に触れて、温泉の成分が化学変化して行くことにより色が変化したり、光の反射、屈折、吸収、湿度などにより変色して見えたり、成分子細かい粒子が温泉水の中に漂っていることにより色がついているように見えるなど、いろいろな理由が明らかになっています。

温泉の色の分類

  1. 白色系(乳白色・灰白色・黄白色)
    温泉の色でポピュラーなのは、乳白色や黄白色などの白濁した温泉と思われます。白濁して見える温泉は、硫黄中に含まれる硫化水素が参加する過程で生成される硫黄化合物が要因となっていると思われます。細かい硫黄化合物の粒子が温泉水に浮遊しているため白濁しているように見え、特に酸性が強く硫化水素濃度が高いほど濁りが発生しやすいようです。
    泥や粘土が含まれている場合は、乳白色〜灰白色の色が見られます。

    別府・坊主地獄

  2. 青色系(水色・青白色)
    青色系の温泉は、澄んだ青色から薄い水色、または青白色の濁った色があります。澄んだ青色や薄い水色の温泉は、メタケイ酸(シリカ)の含有量が多い場合に見ることができます。光の反射などで色が変化するようです。青白色で濁りがあるノノは硫黄化合物と光の反射に寄るものと考えられています。

    別府・海地獄

  3. 赤色系(赤色・赤褐色)
    赤色系の温泉は、鮮やかな赤色に見えるものから、赤褐色やオレンジ色のような色合いがあります。鉄分を含んだ温泉水が空気に触れると酸化が始まり、水酸化第二鉄にへんかして赤褐色の沈殿物が生じる。湧出時には無色透明に知覚、時間が経過すると赤色や赤褐色に変色します。

    血の池地獄・大分別府

    血の池地獄・大分別府

  4. 緑色系(緑色・黄緑色)
    緑色系の温泉は、透明度が高い澄んだ緑色から黄緑色、不透明な緑褐色などがあります。酸性鉄泉は透明度のある淡い緑色をしているようです。中性からアルカリ性の硫黄泉で硫化水素を含むものは黄緑色になる場合があるようです。
     

    熊の湯

    熊の湯(志賀高原)

  5. 褐色系(黒褐色・茶褐色)
    褐色系の温泉は、黒褐色または茶褐色でコーラやコーヒーのような濃い色調で不透明なものから、茶褐色で透明度があるものもあります。黒色、黒褐色の温泉はフミン酸やフルボ酸などの腐植質が含まれ、この濃度が濃いとより黒く、薄いと褐色や薄茶色に見えるようです。腐植質とは古い時代のシダ植物や、海藻類が地中で分解された有機化合物のこと。
    湧出時に黒色の泥を含む温泉は薄墨色に見えます。マンガンが含まれている場合も黒色沈殿物が発生して黒い濁りが発生して黒い濁りを生じる場合があります。
    鉄分が含まれているが、含鉄泉の基準に満たない硫酸塩が多く含まれている場合は茶褐色に見える場合があります。
    薄茶色の温泉は、若干の鉄分が含まれていて空気に触れ参加して色づくケースがあり、三西鉄線で硫化水素が含まれない場合に見られます。
    もう一つの要因として、ヨウ素があげられます。ヨウ素が参加すると薄茶色に見え、ナトリウムー塩化物泉でヨウ素が含まれる場合に多く見られます。

    蒲田温泉

    蒲田温泉 黒色温泉

    松代荘

    松代温泉 茶褐色(黄金色)

    含よう素泉 東京天然温泉 古代の湯

    含よう素泉 東京天然温泉 古代の湯

  6. その他の色
    黄褐色、緑褐色、薄い黄色など。
    1日のうちに数回温泉の色が変化するという五色温泉が北海道、群馬県、長野県(高山村)にあります。
    このような色の変化は温泉に含まれている成分の化学変化に加え、光線や湿度などが関係していると考えられています。

参考:
日本温泉協会 温泉名人 https://spa.or.jp/onsen/3977/